【家族】ある日見知らない少年が立ちすくんでいた。 「あまりもんだけど食うか?」これが全ての始まりになった。。。

ニートをしていた俺が働くことに

院卒ニートだ
飛び級したとは言え大学院までいかせてもらってニートとか親不孝なのは自覚してた
実家でゴロゴロゴロゴロ

夏、ばあちゃん家へフラッと行くと
ちょうど神社祭かなにかをやっていた

祭りに言ってそのへんのおっさんらと話してみた
すると彼らは
「このへんは飯食う店がねーんだよな」
と口々に言う

聞けば、老夫婦がやっていた店があったんだが
奥さんが倒れて締めざるを得なくなったらしい

ばあちゃん家へ帰り、ばあちゃんにその話をした
その店は味はそこそこで安価、それなりにいいお店だったらしい

「あんたどうせ働いとらんなら店やんなさいよw」
と冗談を言われたけど
ふと、いいかもしれないと思ってしまった

翌日、その店に行ってみると
なんやかんやあって俺が従業員って形で店を再開するのも良さそうだってことになった

奥さんの世話があるから、おっちゃんは今まで通り働けるわけじゃなかったが
その分、俺が頑張ることで話がついた

お店をやっていただけあって仕入れとかパイプは問題なかった

おっちゃんに色々教えてもらいつつ資格も取りつつ
何回目かの夏になった

飲食店の厨房は灼熱地獄
汗だくになりながらも店をやっている日々
その頃にはおっちゃんが出られない時は1人でやるようにもなってた

俺が1人の日
客足も落ち着いた頃
少し涼もうと外に出てタバコを吸ってた

すると1人の少年が店の前で立ち止まった
その時の少年は物欲しげな顔をしてた

「よっ」
「…」ペコ
小さくお辞儀をすると少年は走って行った

 

数日後、また俺が1人の日
またタバコを吸いに外に出ようと扉を開けるとまた少年がいた

「おぉ」

「…」

「どうした」

「…」

申し訳なさげな顔をしてじっとしてる

別に子供が好きとかそんな性格はしてないけど
さすがにそんな表情をしてる子供をほっとけなかった

「あー…余りもんで良ければ食うか?」

「っ!」

少年の顔が一瞬明るくなった
お?っと思う間にまた申し訳なさげな顔になる少年

当然、余りものなんかあるわけはないんだけどつい口をついて出た

まさか虐待されてるわけじゃないよな、とか
いやな考えが頭をよぎった

のびてヨレヨレのTシャツに暗い表情
話しかけても反応は薄い

俺じゃなくても、この少年が恵まれた家庭の子では
ないだろうってことはすぐに想像できたと思う

 

「とりあえず入んな、ほら」

「…」

少年は躊躇してる

「余りもんで金は取らないから安心しなよ」

「…ごめんなさい」

心底申し訳なさそうな顔をして、戸惑いながらも店に入った

「嫌いなもんある?」

「…」

「…なんでも食える?」

「…」コク

なかなかめんどくさい子供だと思った

とりあえずカツ丼を作った
作ってる間、少年はずっとソワソワしていて
やっぱり帰るって言い出しそうだから
目を合わせないようにしてた